日本リズム学会 

Japan Institute of Rhythm

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35大会

 

Ritmo do Samba

Isao Cato(加藤  勲)(Brasil Sao Paulo Souza Lima音楽大学 →プロフィール

今日、日本ではサンバを始めとするラテン音楽のリズムは『クラーベのリズム』『ウラのリズム』や『アップのリズム』等、挙げてもきりが無いほどその呼び方は多様性に富んでいる。
また同じジャンル内でも『グループ毎にリズムが違う』と言われている。
今回はポピュラー音楽の世界に大きな影響をあたえた中南米の音楽の一つ、Sambaについて発表をしたい。
発表者はBrasil,Sao Pauloの音楽大学SOUZA LIMAのCurso de Bateria(ドラムセット科)Curso de Percussao(パーカッション科)に2013年から2017年まで在学。在学中Escola de Samba(サンバチーム)に打楽器奏者として在籍し、その経験からBrasil現地の『Ritmo do Samba(直訳でサンバのリズム)』と日本で言われている『サンバのリズム』を比較研究している。
通常Esocola de Sambaでは一年をかけて一曲を仕上げ、Carnaval(謝肉祭)でのDesfile(パレード)に向けチームを仕上げていく。
Escola de Sambaで用いられる楽器は少なくとも6種類ありそのフレーズはチームの特色を如実に表している。
近年ではSambaの表現者は減少傾向にあり、複数のチームを掛け持ちして参加する者は少なく無い。CarnavalでSambaを表現する期間は通常4日間のみであり、掛け持ちをしているものはその期間に複数のチームを渡り歩き担当する楽器もそのチームの事情に合わせる。スケジュール次第という部分もあるが数時間後には別のEscolaで演奏するという事も稀ではなく、彼らにはチーム毎の準備をし直している時間は無い状況にもかかわらず、チームの一員として表現し、それが歓迎されるのは何故だろうか?それは表拍のリズム『Ritmo do Samba』を皆で共有しているからである。
Esocola de SambaにおけるRitmo do Sambaの最も重要なポイントは西洋音楽や日本の音楽教育でいうところの表拍にあり、日本で言われているものとは異なる。その基軸とも言える『表拍のリズム』はEscola de sambaの表現者だけではなくブラジルポピュラー音楽の演奏家達にも用いられている。